この連載「オリジナルタオルの作り方」では、今治のタオル製造会社 新居田物産が、社内タオルソムリエ監修の下でオリジナルタオル製作の全工程をステップ・バイ・ステップで徹底解説しています。専門知識ゼロからでも、この連載を順番に読んでいくことで、誰でも自信を持って理想のオリジナルタオルを作れるようになることを目指しています。

前回の【第1回】では、オリジナルタオル製作の全体像と、最初に考えるべき「3つのポイント」についてお話ししました。読んでいただけましたか?

▼前回の記事はこちら

オリジナルタオル製作最初のステップは、タオルを作る「目的」を明確にすること。

「いきなり目的?デザインとかじゃないの?」と思われるかもしれません。

ですが、家を建てる時に「どんな暮らしがしたいか」を最初に考えるのと同じで、タオル作りもこの「目的」という土台が最も重要なんです。ここをしっかり固めておけば、この後の工程が驚くほどスムーズに進みますよ!

なぜオリジナルタオルの「目的」がそんなに大切なの?

「タオルなんて、どれも同じじゃないの?」と思われるかもしれません。 ですが、例えば次の2つの目的を比べてみてください。

  • A:展示会で、会社のPRのために【無料で配る】タオル
  • B:人気キャラクターのグッズとして【有料で販売する】タオル

Aの場合は、何よりコストが重要になりますよね。
一方でBの場合は、ファンが喜んでくれるようなデザインの魅力品質(今治産・今治ブランドなど)が求められます。

このように、目的によって重視すべきポイントがまったく違うため、最初に「何のためのタオルなのか」をはっきりさせることが、オリジナルタオル作り成功への一番の近道なんです。

ケース1:販促・ノベルティ用タオル

—— 会社のPR、イベントでの配布、粗品など

販促品としてオリジナルタオルを作る場合、一番のポイントはやはり「コスト」と「宣伝効果」です。

  • 重視するポイント: 価格、社名やロゴの分かりやすさ
  • おすすめの仕様:
    • タオルの種類:ミニタオル(ハンドタオル)、フェイスタオル
    • 製法: インクジェットプリント、刺繡
    • デザイン: 社名やロゴ、伝えたいメッセージがハッキリ見えるデザイン

タオルの端(ヘム)と呼ばれる部分に、1色でシンプルに会社名や連絡先を印刷するだけでも、立派な宣伝ツールになります。

ケース2:記念品・贈答用タオル

—— 周年記念、卒業・卒団記念、大会出場記念、お祝いの品など

大切な節目を祝う記念品としてのタオルは、受け取った方が「これは特別だ」と感じてくれるような、「高級感」や「品質」が重要になります。

  • 重視するポイント: 品質、高級感、耐久性、特別感
  • おすすめの仕様:
    • タオルの種類:フェイスタオル、バスタオル
    • 製法: ジャガード織り(糸でデザインを織りなすため、高級感が出ます)、刺繡、インクジェットプリント、今治ブランドタグ
    • デザイン: ロゴ、メッセージ、個人名

デザインで表現するだけでなく、肌触りの良さや、ふかふかした厚みなど、タオルそのものの質の高さで想いを伝えることができます。個人名を入れられる「刺繍」、オリジナルの「箱入れ」や「熨斗(のし)」等も対応可能です。。

 ケース3:物販・販売用タオル

—— アーティスト・アイドルのライブグッズ、キャラクターグッズ、スポーツチームの応援グッズなど

ファンの方に「欲しい!」と思ってもらい、購入していただく物販用のタオルは、何よりも「デザインの魅力」が命です。

  • 重視するポイント: デザインの再現性、魅力、ファッション性
  • おすすめの仕様:
    • タオルの種類:フェイスタオル、ミニタオル(ハンドタオル)
    • 製法: インクジェットプリント、 刺繡、「オリジナルタグ(織りネーム)」
    • デザイン:写真、イラスト、ロゴ、タイポグラフィ(文字)

特にインクジェットプリントは、デザインの自由度が非常に高いので、タオルの常識にとらわれない、クリエイティブな表現が可能です。型代がかからないので、複数のバリエーションを制作する場合にも最適です。

用途ごとのお悩み解決!(つまずきポイントFAQ)

ここまで読んで、「うーん、やっぱり不安…」と感じている方へ。
初めてのご相談で、お客様からよくいただく質問にお答えします!

イベントで無料配布します。とにかく一番安く作れるタオルはどれですか?

販売用なので、ブランドのロゴが入ったタグを付けたいのですが可能ですか?

全国大会の応援タオルとして、急ぎで欲しい

まとめ:目的がはっきりすれば、タオルのカタチが見えてくる

今回は、オリジナルタオルの「目的・用途」について掘り下げてみました。

  • 販促、記念品、物販など、目的によって重視するポイントは違う
  • 目的が決まれば、選ぶべきタオルの種類や仕様が自然と絞られてくる

あなたの作りたいタオルは、どのケースに当てはまりましたか?

第1回のワークシートをもとに、目的・用途を具体化して、どんなタオルが適しているかを考えてみましょう。

さて、目的が定まったら、次はいよいよオリジナルタオル製作の最重要ポイント、「作り方=製法」を選んでいきます。 次回は「ジャガードとプリント、あなたに合うのはどっち?」をテーマに、それぞれの特徴を徹底比較します。お楽しみに!

オリジナルタオルの作り方(連載)