
ノベルティやグッズで人気のオリジナルタオル。とくに、高級感のあるジャガード織りを検討中の方も多いのではないでしょうか?ジャガード織りタオルは、手にしたお客様にとても喜ばれるタオルです。
しかし、「ジャガード織りは価格が高い…」「お金がかかりそうだ」と諦めていませんか?
実は、製法を工夫することで、予算を抑えつつ、ジャガード織りタオルを作成できるんです。
その製法が「上げ落ち」というものです。
本記事では、オリジナルタオルをご検討の方向けに、上げ落ちジャガード織の魅力や注意点、作成のポイントをわかりやすく解説します。他社と差をつける、ワンランク上のオリジナルタオル作りに役立ててください。
もくじ
ジャガード織なのに低コスト。「上げ落ち」ってどんな製法?

上げ落ちの概要
上げ落ちジャガード織は、タオルの表面にパイル糸を出す部分と出さない部分の凹凸を利用して模様を作ります。糸の凹凸を使用して模様を出すので、立体感のあるデザインが特徴的です。
印刷ではなく織りなので、色落ちの心配が少ないという特徴もあります。

新居田物産の上げ落ちジャガード織は、なるべく安価に提供するために、織り上がった後の柔らかくしたり、より吸水するための加工を行っていません。
そのため、使い始めは固く吸水性が低いように感じる方もいらっしゃいます。しかし、一度洗濯するなど使っていくうちに、柔らかく、より吸水するようになります。ちなみに他の一般市場で売られているタオルにも同じことが言えますが、使っていくうちに吸水性が向上します。
価格帯・他の製造法との比較
ジャガード織りタオルであるのに、上げ落ちは比較的安価ですので、初めてオリジナルタオルを作成する企業やノベルティとして数を配布することを検討中の企業にぴったりです。
一般的に、通常のジャガード織(毛違いジャガード織)は1000枚〜が経済ロットとなるため、ある程度の量を作る前提となってしまいます。一方、上げ落ちジャガード織なら数百枚から制作可能です。300枚〜の中小ロットでも挑戦しやすい製法です。
作成する枚数や納期等の条件によりますが、毛違いジャガード織で製造したときと比較すると、3〜4割程度安価に制作が可能です。
製法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
インクジェットプリント | フルカラー 小ロット | 単価が高め |
シルクプリント | 安価 | 色ごとに版代が必要 版の保存期限あり |
上げ落ち | 色落ちが少ない 立体感・高級感 安価・小ロット | パイル糸の色は必ず白固定 色のバリエーションが少ない |
通常のジャガード織 (毛違いジャガード織) | 色落ちが少ない 高級感様々な色が選べる 最も一般的なタオル | 大ロット 製造に知識が必要 |
上げ落ちジャガード織りタオルが向いている用途
上げ落ちは、立体感のあるデザインを品良く表現できるため、以下のような用途におすすめです。
- 記念品として配布するノベルティタオル
- ブランドロゴを入れたショップグッズ
- 企業周年記念品
- スポーツイベントの参加品や応援タオル
- 展示会での配布用グッズ
- お土産・インバウンド向け
企業のロゴやメッセージを織り込んだタオルはプロモーションやイベントに最適です。また、スポーツチームやファンクラブのオリジナルグッズの他、観光地インバウンド需要(外国人観光客向け)のお土産品としても人気が高いです。



新居田物産のお客様の事例では、年末年始ご挨拶する用にこれまで10年以上継続してオーダーいただいているお客様もいらっしゃいます。コスト面と品質面でご好評いただいており、色やデザインを少しずつ変えつつも、毎回必ず上げ落ちジャガード織りをご指定いただいています。
新居田物産では、今治の国内自社工場でタオルを製造(※)しておりますので、大切なお客様へお渡しするノベルティ等でも、その品質について高い評価をいただいております。
※「今治タオルブランド」認定レベルの、高品質のタオル生地を製造
上げ落ちの構造

一般的なジャガード織りタオルは、経糸と緯糸とパイル糸を複雑に交差させて模様を表現します。私たちが普段モールや小売店で目にする一般的なタオルは表と裏、どちらにもループ状のパイル糸が出ていますよね。
一方、上げ落ちジャガード織は、模様を入れたい部分だけを「上げて」それ以外の部分を「落とす」ことで模様を表現します。(上図)
この製法により、複雑なデザインでもシンプルな作業と機械のセッティングだけで柄を表現できるため、コストを抑えたジャガード織タオルを作ることができます。
色の見え方と実例


上げ落ちは、上げ部分(糸色は必ず白)と、落ち部分(糸色は選択可)の組み合わせで柄を表現します。上げ部分は糸そのものの白なのですが、落ち部分は選択した糸そのものの色と実際に見た時の色が少し違って見えます。
たとえば、紫色の糸を落ち部分に選んだ場合、実際の落ち部分はやや薄い紫色になります。これは落ち部分には選択した色糸と、それに絡んだ白色の経糸とパイル糸が一緒に見えるため、色糸本来の色より薄く見えるのです。

上げ落ちジャガード織に用いる糸の色は白+1色ですが、織り方(上げ・下げ)に高低差をつけることで色の見え方をコントロールし、色の濃淡の表現が可能です。
上げ100%(落ち0%) | 上げ50%(落ち50%) | 上げ0%(落ち100%) | |
表面 | ![]() | ![]() | ![]() |
裏面 | ![]() | ![]() | ![]() |
上げ100%は真っ白、上げ50%は白と落ちの色が半々で混ざった薄い色、上げ0%は落ち部分の濃い色といった具合に調整ができます。
「上げ」と「落ち」は反対の関係にあり、上げ100%の時は落ち0%、上げ50%の時は落ち50%、上げ0%の時は落ち100%となります。

こちらは上げ落ちジャガード織タオルの同じ部分の表裏の写真です。表面で「上げ」100%の白糸で表現されていた部分が、裏面では濃い色となっています。
ヘムの部分について

タオルの両端(ヘム)の部分は、落ち部分に用いた色が前面に出るデザインとなります。糸本来の色が出るので、落ち部分より濃い色に見えます。
ヘムにも文字やイラストを入れることが可能です。この部分はより細かい文字入れも可能なので、企業や団体の名前の他、日付やURLなどの文字を入れるといったことが可能です。
新居田物産のウェブサイトでは、タオルの製作事例を公開していますので、ぜひご覧ください。上げ落ちジャガード織りの事例を見る場合は、表現方法の「上げ落ちジャガード織」にチェックを入れると絞り込んで表示できます。

上げ落ちでオリジナルタオルを綺麗に仕上げるためのポイントと注意点

デザインと色
柄の色はベースの色(白)とコントラストがはっきりする組み合わせがおすすめです。落ち部分は元々の色より薄く見えるので、なるべく濃い色を選ぶと濃淡の表現がしっかりした仕上がりになります。

新居田物産では、数ある糸の中から上げ落ちジャガード織りの表現に適したものを厳選した、
既製糸色(22色)の中からお選びいただけます。色糸を限定することで、上げ落ちジャガード織りのコストパフォーマンスをさらに高めています。
線の幅とデザインの細かさ
上げ落ちの濃淡を上手く使うことで、複雑な模様や縁取り文字なども表現できます。一方で、細かすぎるデザインは潰れてしまう可能性があるので注意が必要です。新居田物産では、線幅は3mm以上を推奨しています。

新居田物産では、こうしたデザイン上の注意点について、ご入稿いただいたデザインデータを拝見し、お客様にご提案ご相談を行います。
タオルのサイズ(幅)
上げ落ちジャガード織タオルのサイズについては、幅を約34cmに限定させていただいています。幅を一定にすることで機械セッティングを効率化し、ジャガードタオルでありながら300枚〜の小ロットでも対応が可能となっております。
上げ落ちジャガード織に人気の高い、次のサイズにつきましては入稿用のテンプレート(adobe Illustrator形式)もご用意しております。
- ウォッシュタオル(340×350mm)
- フェイスタオル(340×800mm)
- スポーツタオル(340×1100mm)
ジャガード織りの型について

上げ落ちのタオルを作る場合は、ジャガード織りの型が必要なため、初回の型代がかかります。
この型は機械がデザインを認識するための特別な形式のデータになります。
新居田物産では、ご注文いただいたジャガード織りの型はデジタルデータで永久保存しておりますので、制作から間があいたとしても、2回目以降の制作(追加オーダー)の際は型代は不要です。
納期
通常のジャガード織(毛違いジャガード織)は1~1.5か月程度の納期ですが、上げ落ちジャガード織は通常3週間〜1か月程度の短納期でご納品が可能です。
今治市にある自社工場(OEM専門ファクトリー)で製造しておりますので、さらにお急ぎの場合は個別にご相談ください。その時の工場の状態でのベストをご提案いたします。自社工場ダイレクトでご対応しているため、細かな対応が可能です。
まとめ
上げ落ちジャガード織りの製法は、コストパフォーマンスに優れた方法であり、ノベルティや企業グッズとしての利用に適しています。企業の顔ともなる品質を維持しつつ、低コストで製造できるため、予算調整が容易にできます。
上げ落ちジャガード織よりさらに小ロットでジャガード織タオルをお求めの場合には、新居田物産オリジナルの製法「フラット織り」もご案内いたしております。
ジャガード織のオリジナルタオルの気になる点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。タオル作りに精通したスタッフが、ご要望に合わせてサポートいたします。