
この連載「オリジナルタオルの作り方」では、今治のタオル製造会社 新居田物産が、社内タオルソムリエ監修の下でオリジナルタオル製作の全工程をステップ・バイ・ステップで徹底解説しています。
前回は、デザインデータの作成と入稿のポイントについて解説しました。
▼前回の記事はこちら
データ入稿後、すぐにタオルの本番生産することもありますが、やはり本番の前にタオルの仕上がりを確認したいですよね?第6回となる今回は、思わぬミスやイメージ違いを防ぐための「サンプル作成」について解説します。

この記事を書いた人
新居田物産株式会社 専務取締役
今治のタオル製造会社、新居田物産の新居田です。弊社のコーポレートブログではタオルづくりのお役立ち情報(タオルソムリエ監修)を発信しています。新居田物産に頼んで良かったと言っていただけるように、真摯にタオルづくりに取り組んでいます。
もくじ
なぜ「サンプル作成」が必要なのか?

オリジナルタオルは、一度量産を始めてしまうと修正がききません。もし1,000枚作った後に誤字が見つかったり、色がイメージと違ったりしたら、取り返しがつかないことになります。 そうしたリスクを回避し、お客様と工場の間で仕上がりイメージの認識を合わせるためにサンプル作成が可能です。
実物サンプル作成と修正
チラシやカタログなどのプリントサービスではPDFなどのデジタルデータで確認することが多いですが、新居田物産ではオリジナルタオルの実物で仕上がりの確認を行います。
入稿データを用いてタオルを数枚だけ印刷(または製織)して、実物サンプルで問題がないかを確認します。
実際の色味、手触り、細かい文字の再現性など、すべてを実物で確認できるため、安心して量産オーダーをすることができます。
もし実物サンプルがイメージと違った場合には、修正を行った上で再度サンプルを作成し、仕上がりを確認してから量産へ進むことが可能です。サンプル作成費はかかりますが、納得いくまでサンプルを複数回作る場合もあります。
一方で、ごく軽微な修正や、納期を急いでいる場合には、再度の実物サンプルを作らずに、修正後そのまま量産に入る場合もあります。
サンプルの作成には、必要な枚数(通常は1〜3枚)をご指定ください。
本生産とは別にサンプル作成費用が必要で、お届けまでに期間(製法による)が必要になります。
【インクジェット限定】こだわりの「色のパターン出し」も可能!

版(型)を作らずに生地へ直接インクを吹き付ける「インクジェットプリント」という製法に限っては、版の架け替え作業が不要なため、柔軟な色調整が可能です。
通常、色味サンプルは1パターンが基本ですが、インクジェットプリントに限り「赤の色味を微妙に変えて3パターン見たい」といった「色のパターン出し(数パターンの試し刷り)」にも対応しております。
サンプル作成費はかかりますが、「モニターの色とどれくらい変わるか不安」「一番きれいに見える色を選びたい」という方は、ぜひご相談ください。
サンプルが届いたら?見るべき4つのチェックポイント

サンプルの現物タオルが届いたら指差し確認するつもりでチェックしましょう。
問題がなければ、その旨を伝えて量産開始です!
①色味(イメージとの乖離)
デジタルデータと現物のタオルでは、色の見え方が異なります。イメージ通りの色味になっているか確認しましょう。タオルが使われるシーンにあわせて、太陽光の下や蛍光灯の下など、場所を変えて現物サンプルを見てみましょう。
②小さい文字や柄の再現性
第5回でも触れましたが、タオルはパイル(糸のループ)があるため、細すぎる線や、細かすぎる柄、小さすぎる文字は潰れてしまいます。現物サンプルを見た時に、文字が潰れて読めなくなっていないかを確認します。
③文字情報(誤字脱字・スペルミス)
最も怖いのがこれです。特に英語のスペル、日付、電話番号やURLなどは、デザイナーも気付きにくい部分です。必ず一文字ずつ確認してください。
④デザインの「位置」と「サイズ感」
イラストや文字が切れていないか、刺繍やプリントネームの位置があっているかなどを確認します。
サンプル制作でよくある質問
急いでいるので、現物サンプルなしで本生産に進めますか?
はい、可能です。 納期優先の場合は、サンプルなしで本生産に進むケースも多々あります。その場合、経験豊富なスタッフがデータを確認し、「この線は潰れるかも」「この色はくすむかも」といった懸念点があれば事前にお伝えし、リスクを最小限に抑えます。
画像データの色と、実物のプリント色は全く同じになりますか?
完全に同じにはなりません。 パソコンのモニターは光で色を出していますが、タオルは染料やインクで色を出すため、発色の仕組みが根本的に異なります。厳密な色合わせが必要な場合は、必ず現物サンプルで調整いただくか、「DIC/PANTONE」などの色番号指定をお願いしています。DIC/ PANTONEで指定いただいた場合も、なるべく近い色になるように調整を行いますが、100%同じ色にはならないことにご留意ください。
ジャガード織りと刺繍の色は、画像データの色と同じになりますか?
ジャガード織りタオルおよび刺繍の場合は、既成糸色から色をお選びいただく形となります。糸色についてはこちらをご覧ください。既成色の中で、一番イメージと近い色をご提案させていただくことも可能です。
毛違いジャガード・上げ落ちジャガード・フラット織り(既成 22色)
https://niida.jp/production-method/kechigai-jacquard/
刺繍(定番カラー81色)
https://niida.jp/production-method/embroidery/
まとめ:納得してから量産へ!

今回は、オリジナルタオル製作の成功を左右する「サンプル作成」について解説しました。
- 安心の「現物サンプル」: 色や質感を実物でチェック
- インクジェットなら: 「色のパターン出し」でベストな色を選べる。
- チェック項目: 色味、誤字脱字、配置、細部の再現性。
「届いてみたらイメージと違った…」という悲しい事故を防ぐため、新居田物産ではお客様が納得いくまで丁寧にすり合わせを行います。 サンプル確認が終われば、いよいよ工場での「量産」スタートです!
次回は、普段なかなか見ることのできない「製造工程(工場の裏側)」について。 お客様側での作業や注意点はありませんが、プリントタオルや織りタオルが実際にどのように作られていくのか、各製法ごとに動画でご紹介します。お楽しみに!
オリジナルタオルの作り方(連載)
- 第0回:タオルづくりの全体像
- 第1回:タオルの目的と用途〜利用シーンから最適な一枚を見つける
- 第2回:ジャガード織り vs プリント、あなたに合うのはどっち?
- 第3回:「サイズ選び」と各製法ごとの「デザイン作成のポイント」
- 第4回:「いくらかかる?いつ届く?」価格・納期の仕組みを解説
- 第5回:データ入稿の注意点と発注の流れ
- 第6回:失敗しないための最終チェック!「サンプル作成」の重要性(◀ 表示中の記事)

この記事を書いた人
新居田物産株式会社 専務取締役
今治のタオル製造会社、新居田物産の新居田です。弊社のコーポレートブログではタオルづくりのお役立ち情報(タオルソムリエ監修)を発信しています。新居田物産に頼んで良かったと言っていただけるように、真摯にタオルづくりに取り組んでいます。
