この連載「オリジナルタオルの作り方」では、今治のタオル製造会社 新居田物産が、社内タオルソムリエ監修の下でオリジナルタオル製作の全工程をステップ・バイ・ステップで徹底解説しています。専門知識ゼロからでも、この連載を順番に読んでいくことで、誰でも自信を持って理想のオリジナルタオルを作れるようになることを目指しています。

第4回では、価格・納期について解説しました。

▼前回の記事はこちら

第5回となる今回は、仕様やデザインは決まった、価格と納期も確認ができたという方へ、次のステップの「データ入稿」と「発注」についてです。理想のタオルを作るために知っておきたい入稿データの注意点と発注の流れをわかりやすく解説します。

きれいに仕上げるための入稿データのチェックポイント

タオルを工場で生産するためには、機械が読み取れる正確な「設計図(デザインデータ)」が必要です。 入稿データがしっかりとしたものでないときれいなタオルに仕上がりません。

以下では、入稿データの注意点を記載していますので、入稿前によくチェックをし納得のいくきれいなタオルを作りましょう。

1. ファイル形式は「Ai」が基本

「Ai(エーアイ)」とは、プロ用デザインソフト「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」の専用データ形式(拡張子が .ai )のことです。 拡大縮小しても画質が荒れない「ベクターデータ」という形式で保存できるため、タオル製作の現場ではこの形式での入稿が最も推奨されます。

ホームページに「入稿用フォーマット」をご用意しておりますので、そちらをご活用ください。

2. カラーモードは「CMYK」で作成

色の表現方法には2種類あります。

  • RGB: パソコンやスマホの画面で見る光の3原色(鮮やか)。
  • CMYK: インクで印刷するための色の4原色(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)。

データは必ず「CMYK」で作成してください。普段画面で見ている「RGB」のまま入稿すると、印刷したときに「色がくすんで見える」「思った色と違う」というトラブルの原因になります。

特色指定: 

企業のロゴカラーなど、厳密な色合わせが必要な場合は、「DIC(ディック)」や「PANTONE(パントン)」といった色見本帳の番号で指定(特色指定)することも可能です。

  • ※シルクスクリーンプリントは特色指定でお願いしております。
  • ※ご希望としてなるべく色合わせをいたしますが、完全に同じ色は難しいのでご了承ください。
  • ※ジャガードや刺繍は、既成色からの選択になります。

3. 文字は「アウトライン化」をする

これが最も多いトラブルの一つです。 デザインに使ったフォント(書体)が工場のパソコンに入っていないと、勝手に別のフォントに置き換わってしまい、デザインが崩れてしまいます。 これを防ぐために、文字情報を図形の線データに変換する作業を「アウトライン化」と言います。これを行えば、どんなパソコンで開いてもデザインは崩れません。

4.画像の「解像度」を確認

写真やイラスト画像をプリントする場合、「実寸サイズで200dpi」の解像度が必要です。 スマホで撮った小さな写真を無理やり引き伸ばすと、画質が粗くなり、ぼやけた仕上がりになってしまいます。「画面上ではきれいに見えるけれど、印刷するとガタガタ」という失敗を防ぐため、できるだけ高画質な元データをご用意ください。

5.線や文字は「細すぎ」ないか?

紙への印刷とは異なり、タオルの表面は糸の集合体です。 そのため、あまりにも細い線や小さな文字は、インクが滲んだり、糸で表現しきれず読めなくなったりすることがあります。

  • プリントの場合: 線幅は1mm以上、文字サイズは1cm以上を目安に。
  • ジャガード織りの場合: 織りで表現するため、より細かな表現には制約があります。

製法によって「表現できる限界」は異なります。「このデザイン、細かすぎるかな?」と心配な場合は、事前にご相談いただければアドバイスいたします。

デザイン・入稿で困った!(つまずきポイントFAQ)

データ入稿に関して、お客様からよくいただく質問にお答えします。

 Illustratorを持っていないのですが、他のソフトで作ったデータでも入稿できますか?

ちゃんとイメージ通りになるか不安です。

アニメのキャラクターなどをプリントできますか?

入稿用のフォーマット(テンプレート)はありますか?

「特色(とくしょく)」とは何ですか?指定方法は?

いざ入稿と発注。「最終仕様」も再確認!

作成データの確認ができたら、いよいよ入稿と発注です。デザイン入稿はメールにデータを添付し、発注はその内容を本文に記載して新居田物産まで送付してください。入稿、発注をいただけるとそのままタオル作成に進みます。

この入稿、発注のタイミングで最終仕様についても確認をし、間違いのないよう注意しましょう。

  • 同梱物や支給資材: チラシや名刺などをタオルと一緒に袋に封入したい、専用のシールを貼って欲しい等、資材の支給について確認、連絡はしていますか?
  • 仕様:タオルの大きさ、製法、枚数に間違いはないですか?
  • 納期:納品希望日はしっかりと伝えていますか?生産スケジュールに無理はないですか?
  • 個包装やオプション加工: 「イベントで配るから1枚ずつ袋に入れてほしい」「お年賀用ののし紙を巻きたい」などの要望は伝わっていますか?
  • 配送先(代理発送): 配送先はしっかりと記載していますか?注文者様の住所ではなく、イベント会場やクライアント様へ直接送ることも可能です。送り主(発送元)の名義を変更する「代理発送」も対応できます。

発注後の流れ

発注後は、入稿から量産までは大まかには上図の3パターンです。

  • 入稿後、サンプルを作成して実物を確認し、OKなら量産(本生産)に進みます。
  • 実物サンプルで変更点が出た場合には修正を行い、再度サンプルを作成した上でOKなら量産に進みます。
  • 納期を優先する場合や、リピートの場合には実物サンプルによる確認を行わずに量産に入る場合もあります。

いずれのパターンにおいても、新居田物産にてデータに不備がないか確認します。わかりやすい誤字脱字や線・文字が小さすぎる等であれば、弊社で気がつく場合もありますが、配置のズレ等はそれがデザインによるものか、データの誤りなのかは判断が困難です。必ずお客様側でデータの確認を十分に行った上で入稿いただき、実物サンプルでもしっかりチェックいただくようお願いします。

まとめ:データはタオルの「設計図」。十分な確認を

今回は、オリジナルタオル製作の要となる「入稿データ」、それから「発注後の流れ」について解説しました。

入稿データのポイント

  • データはAi形式(adobe Illustrator)
  • カラーモードはCMYK
  • 文字は必ずアウトライン化
  • 画像解像度は200dpi以上
  • 線の細さに気をつける

「専門的なことは難しくてわからない…」という方も、新居田物産なら専任のタオルソムリエがサポートしますのでご安心ください。「こんなデータでも大丈夫?」と思ったら、まずはお気軽にお送りいただければチェックいたします。

次回の第6回では、サンプル作成について詳しくご説明します。最後まであと少し!一緒にゴールを目指しましょう!

オリジナルタオルの作り方(連載)