NIIDAオリジナルタオルライブラリ:シルクスクリーンプリントで作るオリジナルタオル作成ガイド

「イベント用に、参加者全員に配るタオルを大量に作りたい」
「会社のロゴやキャラクターを、コーポレートカラーでくっきりと鮮やかに表現したい」
「とにかく製作コストを抑えて、品質の良い販促品をたくさん用意したい」

このようなオリジナルタオルのニーズには、シルクスクリーンプリントが適しています。

この記事では、今治のタオルメーカーである新居田物産が、伝統的でありながら今もなお多くのシーンで選ばれる「シルクスクリーンプリント」のタオル知識を、基本からキレイに仕上げるコツまで徹底解説します。

この記事を読めば、作りたいタオルに最適な製法が分かり、自信を持ってオリジナルタオル製作を進められるようになります。

シルクスクリーンプリントとは?-色で彩る伝統の印刷技術

シルクスクリーンのプリント工程

シルクスクリーンプリントとは、デザインの「色」ごとに版(スクリーン)を作成し、インクを直接生地に刷り込んでいく印刷方法です。孔版印刷(こうはんいんさつ)の一種で、Tシャツやトートバッグなど、様々なアイテムに使われる伝統的な技術です。

例えるなら「版画」のイメージで、1色ずつインクをヘラで伸ばして刷り重ねていくことで、ひとつのデザインを完成させます。

シルクスクリーンプリントの主な特徴

シルクスクリーンプリントしたオリジナルタオルの例
シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルタオルの例
  • インクの発色が良く、デザインがくっきり鮮やかに仕上がる
  • 大ロットの生産になるほど、1枚あたりの単価が安くなる
  • 洗濯などに対する耐久性が高い
  • 色数が少ないシンプルなデザイン(ロゴ、文字、イラストなど)に最適
  • 使用するインク(顔料or染料)により仕上がりと費用が異なる

タオルにおいては、表面のループ(パイル)をカットして平らにした「シャーリング生地」を用いることでインクが均一に乗り、なめらかで美しい仕上がりになります。

新居田物産では最大10色までのシルクスクリーンプリントに対応しておりますが、色ごとに版を作る必要があるため、多色刷りにはコストがかかる点に注意が必要です。

またタオルのデザインにより、顔料インクと染料インクを使い分けるため、それぞれのインクの特性を理解しておく事が大切です。(インクの特性はこちらのセクションで解説

シルクスクリーンプリントを選ぶべき4つのメリット

シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルのマフラータオル
シルクスクリーンプリントで作成したマフラータオル

数ある製法の中から、シルクスクリーンプリントを選ぶメリットはどこにあるのでしょうか。特に、まとまった数量のタオルを作りたい場合に嬉しいポイントをご紹介します。

メリット1:大ロットで圧倒的なコストパフォーマンス

シルクスクリーンプリントは、色ごとに「版」を作る初期費用(版代)がかかります。そのため、数十枚だけの製作だと割高になりますが、100枚、500枚、1000枚と製作枚数が多くなればなるほど版代の比率が下がり、1枚あたりの単価がグッと安くなります。

展示会やイベントの配布物など、大量に配布する目的でタオルを作る場合に、最もコストメリットを発揮する製法です。

シルクスクリーンプリントタオルの単価についての考え方
シルクスクリーンでタオルを作成する場合の費用感のイメージ:版代と枚数がポイント

例えばフェイスタオルを2色のシルクスクリーンで作成する場合は、版代は11,000 x 2色分=22,000円。
タオル100枚のオーダーだと、1枚あたりの版代は220円です。
数量が増えて、1,000枚だと1枚あたりの版代は22円となり、1枚のタオルに占める版代の割合はぐっと小さくなります。

なお、シルクスクリーンの色数は、タオルの単価には影響しません。
タオルの単価は、数量によってのみ変動します。
(枚数が多いほど1枚あたりの単価は少なくなります)

メリット2:鮮やかで、力強い発色

生地の上にインクを直接乗せていくイメージのため、インクそのものの色がくっきりと鮮やかに表現されます。企業のコーポレートカラーやキャラクターのイメージカラーなど、色にこだわりたいデザインに最適です。

メリット3:デザインの再現性

ベタ塗りや輪郭のはっきりしたデザインの再現性が高く、企業のロゴやシンプルなイラストをシャープに表現することを得意とします。細かい線や文字もある程度の太さがあれば美しく再現可能です。

顔料インクと染料インクはどう違う?

シルクスクリーンプリントに用いるインクの違い:顔料インクと染料インクの特性
顔料インクと染料インクの違い

シルクスクリーンプリントでは、「顔料(がんりょう)インク」と「染料(せんりょう)インク」という2種類のインクを、目的や希望価格に応じて使い分けます。インクの特性が違うため、タオルの仕上がり(特に発色と風合い)が異なります。

顔料インク:細かい柄を再現し、安価に作成したい場合に

プリントサンプル:顔料インクでタオルにシルクスクリーンプリントした場合
顔料インクでプリントした例

顔料インクは、生地の表面にインクを乗せて乾燥し、固着させるタイプです。そのため、デザインの輪郭がぼやけにくく、はっきりとでます。企業のロゴやキャラクターの細部を忠実に再現したい場合など、販促品・イベントグッズなどに最適です。

一方で、インクが生地の表面を覆うため、プリント部分は少し硬めの風合いになり、タオル本来の吸水性は低下します。洗濯を繰り返すと徐々に色褪せることがあります。

価格の面では、染料インクと比較すると製造工程が簡単なので、より安価に作成が可能です。

染料インク:品質と耐久性を優先する場合に

プリントサンプル:染料インクでタオルにシルクスクリーンプリントした場合
染料インクでプリントした例

染料インクは、インクをタオルの繊維一本一本の中に染み込ませて着色するタイプです。インクが生地と一体化するため、タオル本来の柔らかさや吸水性を損なうことがありません。

顔料インクに比べて、細かい絵柄の再現には不向きですが、長く使っても色落ちが少なく、濃色がよりキレイに表現されます。

プリント面の面積が広い全面プリントのデザインでもごわつくことがなく、自然で優しい肌触りを保ちます。そのため、タオルとしての機能性や使い心地、肌に触れたときの優しい風合いを大切にしたい場合に適しています。

【製法比較】インクジェット・ジャガード織りとの違いは?

シルクスクリーンプリントは、他のプリント方法と何が違うのか。
代表的な「インクジェットプリント」「ジャガード織り」と比較してみましょう。

比較項目シルクスクリーンプリントインクジェットプリントジャガード織り
得意なデザイン単色~数色のロゴ・イラスト写真・フルカラー・多品種高級感のある柄・模様
型代色ごとに版が必要不要必要
ロット数中~大ロット向き
(100枚~)
小ロット(10枚〜)対応中~大ロット向き
単価大ロットで最も安価小ロットでは割安
大ロットでもあまり安くない
ロット・製法による
納期版製作期間が必要比較的短い織り・後加工に時間が必要
風合い顔料:インク部分はやや硬め
染料:生地の風合いを保つ
綿100%で良好な吸水性両面パイルの風合い
オリジナルタオルの製法による違い

こんなケースにはシルクスクリーンがおすすめです!

  • 300枚以上のまとまった枚数を作りたい
  • 大量に制作して1枚あたりの単価を抑えたい
  • デザインの色数が1〜3色程度
  • 企業のロゴなど、指定の色(特色)を正確に表現したい

活用事例 ― こんなオリジナルタオルが作られています!

シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルスポーツタオル
シルクスクリーンプリントで作成したスポーツイベントのタオル
  • 企業の販促ノベルティ: コーポレートカラーを使ったロゴ入りタオル。展示会やキャンペーンでの配布物に。(ロゴ入りミニタオルなど、ロゴガイドラインに沿ってPANTONEによる特色指定を行う)
  • 音楽フェス・イベントグッズ: アーティストロゴやイベント名をプリントした公式グッズ。
  • スポーツチームの応援グッズ: チームカラーで統一した、サポーター向けタオル。
  • 学校・部活動の記念品: 体育祭や文化祭、大会出場記念のお揃いタオル。
  • オリジナルブランドの商品: シンプルでデザイン性の高いロゴやイラストをプリントした販売用タオル。

特に、野球やサッカー、バスケットボールなどのスポーツイベントのグッズとして、フェイスタオルをシルクスクリーンプリントでご依頼いただくケースが多いです。

オリジナルタオルで新居田物産が選ばれる理由

シルクスクリーンプリント機 新居田物産今治工場
シルクスクリーンプリント

シルクスクリーンプリントでオリジナルのタオルを作りたいときに、数あるタオルメーカーの中で新居田物産を選んでいただけるのには理由があります。

POINT 1: 美しく仕上げるための、最適な生地選び

プリントの仕上がりは生地の品質に大きく左右されます。私たちは、プリントが最も美しく仕上がる生地を使用しています。タオルを知り尽くしたメーカーだからこそ、最高の土台をご用意できます。

この生地について、初めて弊社でシルクスクリーンプリントのタオルを製作されたあるスポーツ協会様より、「一度使うと他の生地には変えられない」という高い評価をいただきました。以来、毎年継続してご発注いただいており、弊社の品質にご満足いただけている確かな事例のひとつです。

POINT 2: 熟練の技術による「色」へのこだわり

企業ロゴなどで求められるシビアな色指定(DIC/PANTONE)にも対応し、ブランドイメージを損なわない、忠実な色再現を追求します。

校正は、入稿いただいたデータをもとにサンプル作成を行い、お客様にサンプルをご確認いただきます。実物サンプルを見て、必要があれば修正を行った上で、タオルの量産に入ります。

POINT 3: 大ロットにも対応可能な生産体制

製版、プリント、検品、納品まで、数千枚単位の大規模なご注文にも、品質を維持しながらスピーディーに対応可能です。

納期・数量などその時々の状況に応じて、自社工場のほかパートナー工場と協力して製造することで、短納期や大ロットでも、スムーズな納品が可能です。

POINT 4: プロによる最適な仕様のご提案

「コストを抑えたい」「このデザインは表現できる?」といったご要望や疑問に対し、プロの視点から最適な色数やプリント方法、生地をご提案します。お客様のデザインとご予算に寄り添い、コストと品質の両立をサポートします。

キレイに仕上げるためのポイントと注意点

シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルのノベルティミニタオル
シルクスクリーンプリントで作成したノベルティミニタオル

メリットの多いシルクスクリーンですが、不得意なこともあります。事前に知っておくことで、デザイン制作がスムーズになります。

デザインデータについて

Adobe Illustrator (.ai)形式で、色ごとにレイヤーを分けたデータでのご入稿をお願いしています。これにより、正確な製版作業が可能になります。入稿フォーマットをご用意しておりますので、ご活用ください。

なお印刷の際には、基本的にPANTONEによる特色指定をいただいています。
(CMYKの場合は相談して近しい色を選択)

色数とコストの関係

1色ごとに「版」が必要なため、色数が増えるごとに「版代」(フェイスタオルなら1色につき 11,000円)が加算されます。4色や5色も対応可能ですが、コストを重視する場合は、3色以内におさめるのがおすすめです。

実際のオーダーも2〜3色が多く、版代の関係で300枚くらいからが、コストメリットが出てきます。もしフルカラーに近い色数や、小ロットをご希望の場合はインクジェットプリントがおすすめです。

不得意なデザイン・NGなデザイン

インクを重ねて色を作る原理ではないため、写真や色の濃淡で表現するグラデーションには不向きです。そうしたデザインをご希望の場合は、インクジェットプリントをご提案します。

また細すぎる線や、線と線の間隔が狭いデザインは、インクが潰れて再現できない可能性があります。ある程度の太さを確保したデザインを推奨します。

ご注文から納品までの流れ

新居田物産のタオル造りに精通したスタッフが対応
オリジナルタオル作りに精通したスタッフが対応します
  1. お問い合わせ: まずはフォームやお電話からお気軽にご相談ください。
  2. お見積もり・デザイン入稿: ご希望の枚数やデザインをお伺いし、お見積もりを提出します。
  3. 色指定・仕様確定: 色指定やタオルの仕様を最終決定します。
  4. 製版: 確定したデザインに基づき、色ごとの「版」を製作します。
  5. 製造開始: タオル生地に一枚ずつ丁寧にプリントしていきます。
  6. 検品・梱包・発送: 厳しい品質チェックの後、お客様の元へお届けします。
  • 納期: デザイン確定後、約3週間〜(※枚数や工場の稼働状況により変動します)
  • 最小ロット: 100枚〜(※経済ロットは300枚以上となります)

よくあるご質問(FAQ)

何色まで使えますか?

 版の保管はしてもらえますか?

 写真はプリントできますか?

生地の色は選べますか?

タオルの肌触りはどうなりますか?

プリントの色指定はどうすればいいですか?

まとめ:大ロット・低コスト・鮮やかな発色ならシルクスクリーン!

シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルスポーツタオル
シルクスクリーンプリントで作成したオリジナルのスポーツタオル

シルクスクリーンプリントは、まとまった数量のオリジナルタオルを、コストを抑えつつ、鮮やかなデザインで実現するのに最適な製法です。特に、企業の販促品やチームタオルなど、統一デザインで大量に必要なシーンでその真価を発揮します。

私たち新居田物産は、タオルの聖地・今治で培ってきた品質と、長年の経験に裏打ちされた専門技術で、お客様の想いを最高の形でタオルに表現します。

「コストを相談したい」「このデザインで可能か知りたい」

どんなことでも構いません。まずはお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様のオリジナルタオル作りを全力でサポートいたします。